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creator Interview 002「anima garage(花屋・ライフスタイルショップ)さんに、聞いてみました」

 今日ご紹介するのは、「音と灯りと息もの」を哲学するところ。
東京町屋のanima garageさん。

  東京の古い下町。昔ながらの住宅街に、細い路地に急に現れる店構え。
店内は晴天のお昼間でも薄暗く、ところどころに配置された個性的な照明や
アンティークのインテリアの存在感が際立ちます。
真ん中に置かれた長テーブルにはどことなく野生的な雰囲気のするお花や多肉植物が並び、どこからか聞こえる水のせせらぎや鳥の声のBGM。
最近よく出会う、整然と格好良くまとまったインテリアショップとは、少し違った様相。
アンティークなものと、インダストリアルなもの。野生的なものと、人工的なもの。
様々なものが共存しているのに調和のとれたその場所は、なんだか、とても居心地がいいところ。

 そんなanima garageの店主、福嶋さんも、お店同様、不思議な魅力のある方。
元々はお祖父さんから3代続く家業を受け継ぐ形で電気工事の仕事をはじめ、
その後、倉庫を改装して、3年半前にanima garageをオープン。
今では照明器具の提案、植物やインテリアを含めた空間全体のコーディネート、
店舗や住居の内装工事、イベントやパーティーのデコレーションまで幅広く手がけます。

お店のこと。空間を作るお仕事のこと。お花と関わり。
最近のウエディングについて思うこと。
色々聞いてみました。
印象的だったことを、いくつか皆様にもお届けします。

—灯りで空間が変わる、ということを実感した原体験
 僕の場合、初めはそこまで照明に興味があったわけではなかったんです。
家業が電気工事だったから、小さい頃から色々そばで見てたけど
電気の設置や修理がメインだったから、いざ自分が始めてみても、電気工事の仕事はやっぱり面白くないなって思ってました笑
ただ、そんな時期にたまたま自分の部屋の照明器具が壊れて、
せっかくだからと思ってカタログを見ながら好きなものを選んで、取り替えてみたんです。低めのペンダントライト。
その照明をつけたら、見慣れたはずの自分の部屋が、一気に変わって。
本当にびっくりしました。
灯りで空間が変わるということを実感して、もっといろんな照明を提案したいと思ったのは、その出来事がきっかけですね。


—花の仕事を始めるまで
 2013年末、実家の倉庫を改修してanima garageをスタートした時点では、お花は全くやる予定がなくて。
お店に置くものは、照明と観葉植物の鉢物とアンティークのインテリアって決めていたんです。
anima garageを窓口に、灯りの提案もそうだし、誰かの部屋や暮らしを素敵にする提案ができたらいいなと思っていて。
 ただ、来てくれるようになった近所のおじいちゃんおばあちゃん達が、仏花が欲しいと言ってきたんですね。笑 
鉢物を置いてるんだったら、あなた、切り花もやりなさいよって。
今思い返すと、やりなさいよって何だって感じですけど笑
仏花って言われても、菊はちょっとなーと思ってたんですが、それなら違う花でもいいわよ、と言うので、最初はほんのすこしだけ、お願いしてくれた人たちが買う分だけのお花を仕入れてました。
そんなことをしているうちに、ある日、僕の代わりに店番をしていた母親が、間違えて花束アレンジの注文を受けてしまったんです。
母親曰く、お客様があまりに自然な流れで注文するから、断れなかったらしいのですが笑
ブーケって、誰が作るの?!とびっくりしたんですが、
もちろん僕しかいないので、そこから練習を始めました。
幸運にも、受け渡しまでちょっと時間があったんです。

ただ、やるからにはと思って、知り合いのお花屋さんに手ほどきしてもらった後、独学で練習をはじめたんですが、やってみると難しくて。
技術が足りなくても、出来上がったものが綺麗か綺麗じゃないかということだけはわかったから、自分が作ったものがバランス悪いなっていうことがわかった。
それじゃあ満足いかなくて、悔しくて、もっともっと、上手くなりたいと思ったんです。
そうして研究して、練習して、お花のことを知っていくうちに、
だんだんにお花って綺麗だな、好きだなと思うようになって、今という感じです。
花屋の始め方としては、完全に受身ですね・・・!笑

ー結婚式のデコレーションを考える上で、大切にしたいことはありますか?
 子供っぽいのは、嫌なんですよ。
もちろん結婚式っておめでたい場だから、華やかで、賑やかなのはいいと思うんです。
ただ、今って、自由度が上がって、いろんな形のウエディングが出てきているけれど、
その分、より子供っぽくなっているような気がすることがあるんです。
何というか、とにかく物に溢れているけれど、バランスが取れていない感じというか。
後々見返したときに「時代だったね〜」って思ってしまうような、過剰な装飾が流行しているような気もして。
今ってみんな、オーソドックスでシンプルな結婚式を物足りなく感じているのかもしれないけど、かといって、本当に欲してるのがその形なのかなって、疑問に思うんです。
だからやっぱり、いつ見ても素敵だと思えるような、バランスのとれた、洗練された空間を作ることを大切にしてやっていきたいですね。
その上で、お客様のことをよく知って、二人に本当にマッチするものを届けたいなと思ってます。



-福嶋さんにとって、50年経っても色褪せないと思える自身の経験はありますか?
 たくさんありますね。そう思える経験の方が、多いかもしれない。
さっきの照明の話もそうです。あの時の経験があって、今があるから。
あとは、お花に関するエピソードが一つ。
花を始めてちょっとしたときに、花好きなお客さんに、「あなた、もう少しどこかで修行してきたらいいんじゃない」って言われたことがあったんです。
お花って奥が深いんだからもっと勉強しなさいって。
その時はへこみましたね。わかってはいたけど・・って思った。
やっぱりお花まではやらなくてもいいかなって、しばらく色々考えたりもしました。
ただ、そんな時、仲良くしていた近所のお店のオーナーさんに、
「私は福嶋さんの花がすごく好き。福嶋さん独自の感覚で束ねたものが好きだから、そのままでやってね。」と言ってもらえて。
涙が出るほど嬉しかったですね。
僕も花をやっていいんだって。何だか、自由な気持ちになれたんです。
それからは、自分だからこそ、かえって普通の花屋さんとは違う感覚のものができるかもしれないと、前向きに思えるようになりました。
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(取材後記)
お話を聞いていて印象的だったのが、福嶋さんの中にある自然の捉え方。
植物はもちろんのこと、工芸品や照明器具等の人が作ったものも、
福嶋さんにとっては"自然"として、同列に捉えられているのです。

その自然観は、店名にも現れていて。
anima garageの"anima"という言葉は、
ラテン語で、魂とか、息をするものという意味を持ち、
広く自然界のものを指す言葉であるそうなのです。
懐の深い自然の見方は、anima garageというお店の雰囲気そのものでもあり、
それは何だか、福嶋さんの人としての原点が"職人"にあるということに、
深く根差しているような気がします。

そんな福嶋さんの考える、洗練された空間。
きっとただシンプルで格好良いだけではなくて、綺麗なだけでもなくて。
自然のもの、人のもの、様々な"息もの"の温度が感じられる空間になるんだと思います。

8月、どんな空間を見せていただけるのか、今からとっても楽しみです。

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【anima garageさん参加スケジュール】

"Happy Very Much 2017.summer"
(東京)8月5日(土)、6日(日)11:00〜18:00  @東京浅草  BEARS TABLE
※当日は、福嶋さんが在店し、お花や照明のデコレーション展示、直接の相談を承ります。
イベント全体の紹介ページはこちら→⭐️

写真 手塚洵弥
インタビュー・本文 中澤茉里 


相談会予約・お問い合わせはこちら TEL:03-6231-6570(火曜日を除く11:00-19:00) MAIL:info@happyverymuch.jp

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